宮島シラズのSFファンタジー小説、【神様もサイコロを振るかもしれない】の作品紹介ページです。
【神様もサイコロを振るかもしれない】
[作品紹介]
高校生たちがTRPG(テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム)を楽しむ現実パートと、TRPGの舞台であるファンタジー世界の様子を劇中劇として展開するパートを並行して描いている作品です。
異なる世界で紡がれてゆく物語をぜひご覧ください。
【神様もサイコロを振るかもしれない】本文では、ゲームのルール説明などよりも、ドラマ性・ストーリー性に重きを置いておりますので、TRPG未経験者やそもそも「TRPGってなんのことだろう?」という方でも、SFやファンタジー、青春物がお好きな方でしたらお楽しみいただけるかと思います。
なお私の方針として、作中に過激なポルノやエログロ、暴力などを露骨に描いたシーンは設けません。
若い方や、そういったものが苦手だという方でも安心して手に取っていただけます。
現実パートの描写・ファンタジー世界の描写の両面において、この作品に関しては漫画的な誇張表現を排し、登場人物のひとりである績綾の言葉を借りるのであれば、作品世界を「ひとつの現実として描いて」おります。
高校生たちはもちろん、【エンドレス・ヴァース】の登場人物もまた、現実的な世界で破綻なく生きていけるような設定を施し、抑えめの描写に徹しています。
勝手ながらその辺りのこだわりに同意や同調をいただける方であれば、きっと本作を愛してもいただけるのではないかと信じております。
この【神様もサイコロを振るかもしれない】という小説の「エンディング」――つまり最終巻、最終章の展開は既にまとめており、特に最後の場面、最後の一節は書き終えてもいます。
ですが、そこに至る道のり――彼らの「セッション」がどこまで、どういった形で、何巻を通じて展開されるのかについて、それは作者である私にとっても、たいまつを片手に暗い遺跡を探るような、一種の冒険となるでしょう。
(第一巻執筆中も、ちょっと書き足すだけのつもりが、かなりページを増やしてしまったので)
もしも読者であるあなたが私と同じく冒険好きの方ならば、ぜひ今後も彼らの旅におつきあいください。
「最後まで読んでよかった」と、読者の皆さんに感じていただけますように。
【神様もサイコロを振るかもしれない】著者
宮島シラズ
[作者の思い出話]
劇中劇となる【エンドレス・ヴァース】は、私が以前運営していたサイト内で20年ほど前に連載していた小説【Heroic Verse(ヒロイック・ヴァース)】が元となっています。
【Heroic Verse】は某有名ゲーム(複数)の攻略記事と併設したスペースに掲載していたからか、おかげさまでそれなりの数のアクセスもいただいておりました。
古くからインターネットをご利用の方は、もしかしたら、その内容まではともかく、「そんな小説もあったな」と覚えていてくださる方もいらっしゃるかもしれませんね。
なお、今「Heroic Verse」で検索すると音楽ゲームのタイトルが出るようですが、当方とは全く関係ありません。
ちなみに私もそのゲームのファンで、五鍵の頃からPS2版のEMPRESSまでは遊んでいました。(片手九段止まり)
【Heroic Verse】は残念ながら完結には至りませんでしたが、「四腕聖」シャティナ・クォ・ジーナスを主人公とした物語で、マライア・ネフェルフレアが「聖女」となるまでをつづろうとしていたものでした。
時系列として、【神様もサイコロを振るかもしれない】内の【エンドレス・ヴァース】では、聖女マライアが悲劇的な死を遂げた後の世界を語っています。
【Heroic Verse】と【エンドレス・ヴァース】は世界観を共有する作品ではありますが、そこにはフォーカスの当て方に違いがあります。
前者はタイトルどおり「英雄譚」の色が濃く、凄腕の深世族戦士であるシャティナを主役として英雄的な活躍を描こうとしていたものでした。
一方の後者【エンドレス・ヴァース】では、ジンガッシュやラネッタら「英雄ではない者たち」に焦点を当てています。
これは劇中作者である績綾(つむぐあや)のスタンスに通じるものでもあるのですが、「英雄ではない人間がちょっと活躍するところ」を描きたいという動機に基づいています。
――そこに価値や意義を見出せるようなキャラクターを生み出し、【神様もサイコロを振るかもしれない】という物語にしていけたらと考えています。
作者である私自身が10代から20代にかけて友人たちと定期的にTRPGをプレイしていた経験を持ち、自作をマスタリングするなどそれなりに情熱を傾けておりました。
オリジナルTRPGを創作する傍ら、既製品としては【D&D】や【T&T】、のちに【ソード・ワールドRPG】などを友人のマスタリングで楽しんでいました。
人数的にはいつも集まっていたのが5,6人ほどで、多い時には8人ほどの日もあったことを覚えています。
【Heroic Verse】及び【エンドレス・ヴァース】の世界観は、学生時代に自作して友人たちにテストプレイをつきあってもらっていたオリジナルTRPG【H.I.T.S.(ヒッツ - ヒーローズ・イン・ザ・ストーリーズ)】が原型です。
「自作TRPGを友人たちと遊ぶ」という立場だけは【神様もサイコロを振るかもしれない】の紀貴(きのたかし)と似ていますが、私のマスタリングは彼のように手際のよいものではなかったような、反省を伴う思い出があります。
(友人宅に集った時間の半分は、持ち込んだゲームを遊んだりしていましたし)
【H.I.T.S.】では戦闘シーンの処理にターン制ではなく「カウントダウン・バトル」なるものを採用していました。
武器の重さ、術の複雑さに応じて行動までのカウントを設け、ゼロになった時点で実行されるというシステムでした。
これは某FFシリーズがATBシステムを打ち出すよりも前の話です。
条件によるカウントの加速や割り込みといった要素も盛り込んでおり、我ながら先取りしていた感じですが、人の手で処理するには手間がかかり、やや煩雑ともなってしまったことから、次作では普通のターン制に戻したような記憶があります。
(当時そんな無茶なゲームにつきあってくれていた友人たちへ、ありがとう)
こんなご時世ですから直接テーブルを囲んでTRPGをプレイするというのもなかなか難しいとは思いますが、機会があればまた私もどこかで誰かと楽しんでみたいと願っています。
ここまで個人的な思い出話におつきあいいただき、ありがとうございました。
🎲 2021.9.22
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントが反映されるまで時間がかかる場合があります